WORKS

戸田川の畔から、新たなデザインを発信し続ける不動産・設計事務所

名古屋市中川区店舗

敷地面積 112.11㎡（33.91坪）／
延床面積 100.07㎡（30.27坪）／

名古屋市中川区戸田川の畔に建つ事務所。周辺環境は、前面道路は狭く、交通量も多い。また踏切により渋滞も生まれる、とても窮屈なイメージであった。そこで、川沿いの条件を生かし、各室内からは川が望める空間とした。特に受付には吹き抜け空間を作り、川と空を双方を室内に取り入れることで、開放感を感じ、スタッフや来客だけでなく、駅を利用する外部の人達にも、「抜け感」を感じる建物とした。

建物は左右２棟とし、「本社屋」と「中二階のある打ち合わせルーム」。それをアプローチで建物同士を繋げた。建物は外観の仕上げだけでなく、建物高さ、屋根の向きを変えることで、建物に「変化」を作り、見る人を楽しませるつくりとした。また、近鉄線の真横に立地する為、外壁を決める際、遊び心で近鉄のシンボルカラーである、「近鉄マルーン」をモチーフにした外壁のガルバリウムに採用。長年、地域に根付く鉄道と同じカラーは、どこか地域の方にも親しみやすさを感じるのではないでしょうか。

2棟の建物がアプローチでつながっている。赤・白・グレーと、色だけでなくセメント版、ガルバリウム、木など、様々な素材をバランスよく加えることで、より存在感を感じさせる建物となっている。
「KAZA DESIGN」のロゴ看板が映える。道路からの通行人も店内を通して戸田川が見渡すことができ、抜け感を感じることができる気持ちの良い空間となった。
玄関アプローチからも隣接した戸田川を見渡せることができるように設計した。アプローチを挟み左側が「本社屋」。右側が「中二階のある打ち合わせルーム」となっている。
シンボルツリーのアオダモをアッパーライトで照らし、建物壁面へ幻想的な陰影を映し出されるようになっている。写真は建築当初の為、陰影に物足りなさがあるが、今後木の成長と共に通る人に陰影をより楽しませることとなります。
戸田川にかかる橋からの撮影。隣接する近鉄電車の一般車両に採用されている、「近鉄マルーン」をモチーフにした外観デザイン。四面全てがファサードとなる為、全ての面からの表情が異なる外観デザインとなっている。
川面に映る「KAZA DESIGN本社屋」
グレーの壁は「木毛板セメント」を使用。また、2階の腰壁にはシナベニヤを使用した。木毛板の「荒々しさ」と、木の「柔らかさ」を楽しめるデザインとした。
吹き抜け空間に映える大小２つの照明、「マユハナ」。建築家デザイナーの伊藤豊雄氏が手掛けた照明。繭から糸をつむぐように型に糸を巻きながら作られている。柔らかな光は二重、三重の「繭」を透過することで、より空間に柔らかさを演出してくれます。
建物の奥行き4.5ｍ以上に空間に広がりを持たす為、東に面する「戸田川」を室内から望めるように、受付室には吹抜け部分全てに強化ガラスを使用した。室内に居ながらも、外とのつながりを感じることのできる空間となった。
受付スペースには、カリモクニュースタンダードの「丸テーブル」と、ハンス・J・ウェグナーの名作「Yチェアー」を設置。無垢の素材を生かした壁や、天井に合わせたインテリアを選択した。
戸田川への抜け感を遮ってしまう階段。ただこの階段をストリップ階段にすることで、障害物を最小限に抑えることができた。むしろ黒のスチール階段がアクセントとなることで、空間に「シマリ」が生まれた。
２Fにはスタッフルームとなっている。東西に窓を設け、戸田川の「抜け感」を感じながら圧迫感のないスタッフルームとした。
KAZA DESIGNオリジナル企画、「中二階のある家」の「高天井空間」を実現した打ち合わせルーム。奥には３畳程の畳コーナーを配置、お子様が動画を見たり、遊べる空間を設けた。
打ち合わせルームからは対面の社屋がガラス越しに見渡せるようになっている。外部を挟みながらも、互いの空間から気配を感じることができる。
打ち合わせルームには、色とりどりの床材を張りわけた。お客様と床の仕様を決定する際にサンプルとしても確認ができるようになっている。
光が当たることにより、無垢のレッドシダー材の一枚一枚に表情が生まれ、経年変化を楽しむことができる。